デカい声出していって
しばです。
私は4thテニミュの選手宣誓が大好きです。
その話をします。
「テニス大好きな文学少年 相手の出ばなくじいてやるぜ」\森/
「テニス大好きな」というこの場では当然のことを一番初めに持ってくることで、これから続く60人もまたテニスが大好きな人であるという共通認識を敷いてくれている。全61人の選手宣誓のトップバッターとして相応しいフレーズ。また森というキャラクターであるからこそ、「テニス大好き」というまっすぐなフレーズを任せられたのであろう。そしてそれを歌い上げる歌唱力が素晴らしい。
「テニス大好きな文学少年」というイメージからは打って変わって、「相手の出ばなくじいてやるぜ」という挑戦的なフレーズは場合によっては不自然に感じるかもしれないが、彼が身に纏っているのは不動峰の黒であり、それを考えるとむしろしっくりくる。このアンバランスさが正しくなるのは作詞家のキャラクターへの理解と原作のフレーズの使い方の妙であろう。天晴れ。
「相手の弱点を突くだーね ペース乱してあげるだーね」\柳沢/
これの好きなところは、「ペース乱して」という言葉から、選手宣誓唯一の変拍子になるところ。柳沢だけ三拍子で、そのワルツのリズムが柳沢のかるさ、ノリの良さや育ちの良さと調和している。めちゃくちゃ”らしい”音楽でだ〜い好き。そのあと「や・な・ぎ・さ・わ!」の五つ打ちで元の四拍子に戻るのが気持ち良すぎる。後ろに構えてる観月で一気に聖ルドルフの空気に引き締められるのもGood.
「生え抜き魂 背中を見せるぜ 仲間のために勝利を掴むのさ」\赤澤/
私が61人の中で一番かっこいいと思ってるフレーズが赤澤のこれ。なぜなら全てが完璧だから。
「生え抜き魂」、まずこのかっこよさは、原作のセンスによるもの。補強組と区別するときに「生え抜き」という言葉を選ぶのどうなってるんだ、すごすぎるだろ。この「生え抜き魂」という暑苦しい言葉は、赤澤𠮷郎という男が歌うことですんなりと観客に届けられる。赤澤の口から出る分には全く抵抗のない言葉になるのだ。この「生え抜き魂」という言葉は、私の中で毅然と光を放つ一番星のように輝いている。
「背中を見せるぜ」、これは誰に見せるかというと、そう金田一郎ですね。赤澤が初めてダブルスを組み、そして頼った相手への鼓舞であり信頼の証である。部長として、先輩として、レギュラーとして、生え抜きとして、その広い背中を見せてくれるのだ。もしかすると金田とダブルスを組む前の赤澤は「背中を見せる」という意識はなかったかもしれない。それまでは一方的に、金田が「ただその背中を追いかけてきた」。しかし赤澤は金田からチームとして戦うことを教えられ、今では「背中を見せ」部長としてチームを引っ張る意識が芽生えているのではないだろうか。そして実際、奥村等士さんの背中は広くて厚くて頼もしい。きっと赤澤もあの通りなのだろう。まじでここ痺れるほどかっこよくて、どうにもならないほど大好きだ。
「仲間のために勝利を掴むのさ」、口先だけではない。この男は実際に仲間のために勝利を掴んでいるのである。あの黄金ペアを相手にだ。先ほどと同様に、以前までの赤澤は「仲間のために」という意識はそれほど強くなかったかもしれないが、金田とダブルスを組み、コートの中で支え合うことを知った彼は「仲間のために勝利を掴む」と、そう言ってくれている。
強く、頼もしく、しなやかな男、赤澤𠮷郎の良さがこれでもかというほど詰まったこのフレーズは本当に余すことなく完璧なかっこよさを誇っている。
「天気予報は晴れ テニス予報は勝ち 水も滴る いい男」\新渡米/
「天気予報は晴れ」←うん
「テニス予報は勝ち」←なんて????
これめっちゃ好き。
まず先頭に「天気予報は晴れ」という普遍的な、日常でよく耳にするフレーズがくる。そしてその直後に「テニス予報は勝ち」という見たことも聞いたこともないがレーズがくる。この差がおもしろい。「テニス予報は勝ち」という新渡米の強気で勝気な感情が乗ったフレーズが気持ちいい。そして「水も滴るいい男」に対してはまた「そうだね」という気持ち。ただこの水って芽に水やりしてるやつなんだよな。
山吹の得体の知れなさ、実態を掴みきれない感じはニトキタの影響だと思っていて、喜多の「うずまきテニス」も何かよくわからないし、新渡米の「テニス予報」もよくわからないけどでも全くわからない訳でもないみたいな、そういう感じ。これがワカラマイってこと?
「やあ! 簡単には見せない熱い思い 基本に忠実が勝利を呼ぶ」\南/
地味’s恒例の「やあ!」から始まるこのパート、私が南や勝くんを好きだからというのもなるけれど、何より「基本に忠実が勝利を呼ぶ」というフレーズが私に刺さって、特に「南!」と呼ぶ声に力が入る。私も「基本に忠実が勝利を呼ぶ」と信じていて、またそうあるべきだと思っているからだ。現時点4thシーズンで地区予選から関東大会までを見ていて、基本的なことができていない者から、基本など置き去りにした爆発的な奇想天外なプレイをする者まで、多種多様なプレイスタイルがあった。確かに基本に忠実なだけでは掴めないものはある。自分にしかできない技を持っている者は、そもそも基本がしっかりとできている。だからそれだけはダメだというのも事実だ。それでも私は、基本でに忠実であり続けた者が到達できる場所、その堅実な足取りでしか掴み取れないものがあると、そう信じている。基本に忠実であることは、一種の才能だと言ってもいい。まだ中学生の地味’sは、派手なプレイや才能を持って生まれた者に憧れ、それと同時に諦めてしまっても不思議ではない。しかし2人は基本に忠実であり続けることを選んだ。その道を選べる人が、他にどれだけいるだろうか。南と東方は強い。世界は、この2人が報われるようであるべきだ。
山吹全体
「ダダダダーン!」から「亜久津先輩の番ですよ!」までの5人がノンストップで続く山吹の選手宣誓は、山吹の勝気なところが出ていて非常に良い。まさに「山吹GO勝負!」。特に前半5人はソロパート末尾→名前コール→次のパート先頭まで休みが無く次々と進んでいく怒涛の構成。大変だけど、叫んでいるこっちも気持ちいい。山吹の前半は息継ぎに必死だった。
ルド吹本公演ではルドの「全国から集められた〜」から「勝利の風よ吹け」が繋がっていて、ルドルフの教会チックで室内で厳かにしている空気感が、山吹では室内から屋外へ、薄暗い教会から自然に囲まれた快晴の空の下へ一気に解放される感じがしてめちゃくちゃ好き。両方とも鐘の音が鳴ってるけど、全く違った印象でおもしろい。
こんなもんか。やたらと初期校が好きだなぁ。
選手宣誓という文化って本当に天才的で、テニミュのいいところはどの選手もその場に存在し続けることだと思っているから、その長所を生かして一人ひとりにソロパートと客からの名前のコールを付けたのは、テニミュのいいところ尽くしだよなぁと思う。三浦さんありがとう。私は4thシーズンのテニミュが大好きです。
あとタイトルにもある通り、まぴリョが「応援対決始めるよ。デカい声出していって」と言ってくれるのが好きです。デカい声が出せる世の中になってよかった。
これにてブログは終わりです。アデュー。